2014-15 WEB週報12月度

12月17日 例会

増尾会長挨拶

 第24回例会,なんとなく気忙しい師走17日です。24節季で大雪,七十二候では末候「鱖魚群がる」海で大きく育った鮭が,ふるさとの川に帰ってきます。岩手県の県庁所在地である盛岡市の中心部を流れる北上川を遡上するボロボロになった鮭の姿に生命の神秘と生命力の力強さに夫婦で感激して橋の上から見ていました。

 本日の卓話は川井幸治会員の「ホッケーについて」のテーマでお話しいただけます。新入会員卓話とよぶには,もう入会いただいて8カ月経過ですし,香川銀行の本店営業部長さんが金融とは無関係のホッケーのお話ですし,大いに興味をそそられるところがあります。よろしくお願いします。

 来週の例会が平成26年,2014年最後の例会となります。私の任期も半分にさしかかったということです。ご協力ありがとうございます。

慌ただしい歳の瀬,どうぞ心身ともにお気を付け下さい。

 友好クラブの田辺はまゆうロータリークラブから,太田英章パストガバナーに紀州みかんのプレゼントがあり,会員にお裾分けされました。

卓話「ホッケーについて」

川井 幸治新会員

 アイスホッケーとの混同されるので、フィールドホッケー若しくは,グランドホッケーとも呼ばれています。


①歴史

ホッケーの起源は古代エジプトにあるといわれており,起源前2000年ごろのナイル川流域で発見された壁画にホッケーの絵がかかれていたことがその要因です。

  近代スポーツとしてのホッケーの起源は,サッカー同様「イギリス」にあります。19世紀ごろ,オフシーズンの「クリケット」の選手たちが試合の出来ない冬のオフシーズンに始めたのが起源といわれており,その後「ホッケー協会」が組織され,1887年にルールが制定され,1908年にオリンピック競技に認定された。あまり認知度は少ない競技ですが,オリンピック競技としてすでに100年以上を経過しているスポーツです。

  ホッケーはイギリスが植民地としていたインド・パキスタンで広がり,オリンピック競技となった1908年から2回連続してイギリスが金メダルを取りましたが,1928年以降1964年東京オリンピックまではインドが6年連続を含む7回,パキスタンが1回金メダルを獲得しています。東京オリンピック以降,最近の強豪国はドイツ・オランダとなっており,日本は1932年ロサンゼルスオリンピックの銀メダル獲得以来メダルは獲得できていないという状況です。

 日本にホッケーが伝わったのは,明治39年,当時東京麻布にあった聖アンドリウス協会の牧師が慶応大学でホッケーの指導をしたのが始まりで,大正11年,陸軍戸山学校の教官であった加藤教官の指導により校技として採用されて以降,大学・高校・中学へと普及しました。

 当時,皇太子であった昭和天皇が,加藤教官からホッケー競技の手ほどきを受け,その後皇室チームが誕生し,大正13年「赤坂東宮御所」において先ほどの陸軍戸山学校とホッケーの試合が行われたことは,日本ホッケーの歴史に残る出来事となりました。

 今回,この卓話のために調査する過程において,昭和天皇がホッケーをしていたという事を知り,私が大学時代在籍していた武蔵大学では四大リーグというリーグがあり,学習院・成城・成蹊・武蔵大学の4校が参加していましたが,恐らく,昭和天皇がホッケーをするため学習院高校でホッケー部を創部し,対抗戦を行うため,四大リーグが創設されたものと思われます。


②競技内容

 ・メンバー11名(うちゴールキーパー1名)サッカーと同じ

 ・コート:縦・約94m 横55m サッカーコート:縦110m 横75m

 ・サッカーコートの約85%の大きさ

 ・競技時間:サッカー:前半後半45分の90分競技

       ホッケー:前半後半35分の70分の競技


③得点

サッカー同様1ゴール1点,サッカーとの最大の違いはゴール前の「シューティングサークル」という半径16ヤードのエリアからのシュートでないと得点は認められない。つまりサッカーと違いロングシュートは認められないことです。

④シュート

シュートはステイックを使い,ステイックをスイングしてボールをヒットしたり,地面スレスレまで下げてステイックを地面と平行にして放つスイープシュート,両手でボール押して放つプッシュシュート,両手で球を持ち上げて行うスクープシュート(サッカーではループシュートと言う。)などがある。

シュートの初速は150キロ以上で,ボールは硬球で野球のボールよりも硬いため,直接からだに当たると,息が出来ないくらい痛い。


⑤ロングコーナーとショートコーナー

 サッカーでは,味方選手が蹴ったボールがエンドラインを割った場合,コーナーキックが行われますが,ホッケーの場合は2種類あり,「シューティングサークル」の外のエリアでラインを割った場合は「ロングコーナー」といって,サッカー同様,コーナーからのロングパスで試合が再開されます。また,「シューティングサークル」内でエンドラインを割った場合は「ショートコーナー」と言って,「シューティングサークル」とエンドラインがクロスするゴール近辺からのパスで試合が再開されます。この「ショートコーナー」は,サッカーのフリーキックのように,プレーヤーが壁になってシュートコースを隠すのではなく,攻撃側はパスをストップするプレイヤーとシュートするプレイヤーのみが「シューティングサークル」の中心のサークルラインに立ち,防御側は「シューティングサークル」のエンドラインに立ちパスをすると同時に,シュートを撃たせないようにシュートするプレイヤーめがけて一斉にタックルを行います。


⑥ディフェンス

パスされたボールをカットするなど,サッカー同様のディフェンスに加え,ホッケーではタックルといってステイックを地面に下ろして相手のボールを振り払って奪うことが認められています。ただ,シュートする直前にタックルして顔面を強打されたり,フォワードの足を強打したり,非常に危険な行為です。

プレイヤーの防具はすね当てのみですが,唯一防具をしているのがゴールキーパーです。硬球より硬いボールが150キロ前後でシュートされるため,写真にあるように野球で使うプロテクター・マスクなどを着用しています。総重量は数キロになるため,ゴールキーパーは過酷なポジションで,野球と同じようにプロテクターの無いところにボールが当たると悶絶するほど激痛が走り,試合終了後,あざだらけになることもあります。


⑦主な反則

 ・ハイステイック

  肩より上にステイックを持ち上げること。

 ・キック

  ボールを身体に当てると反則となる

 ・オブストラクション

  身体などを利用して,相手からボールを隠すこと。

 ・過去はサッカー同様オフサイドルールがあったが,現在は廃止されています。


⑧ホッケーがメジャーにならない理由

アイスホッケーが比較的メジャーなスポーツであるのに,ホッケーがマイナーなスポーツである理由は,実はこの球速の速さと,ボールの硬さ,並びにアタックと言って,ドリブルする相手のボール目掛けてタックルする危険なスポーツであること。イギリス発祥のスポーツらしく,危険なスポートであるがゆえに,紳士的且つ厳しいルールによって,試合が中断しやすいことです。

例えば,味方のエンドラインから敵のエンドラインにパスをした場合,ボールは縦94メートルのコートを急速150キロで進むことから,約3秒でエンドラインまで到達するため,正確なパスを出さないと,味方選手はボールに触ることも出来ず,ボールはエンドを割って,敵ボールでの試合再開となるため,試合が中断しやすい。

また,ホッケーのステイックはアイスホッケーと違い,片面でしかボールを操作することが出来ないため,ボールの扱いが非常に難しい。ボールが右からパスされた場合は,ボールを取りやすいが,左から来た場合は,ステイックを反転してボールをとらなければならないためです。裏の面にボールを当てた時点で「バックステイック」という反則となり,敵側のボールとなりゲームが再開します。

さらに,先ほど説明したオブストラクションという反則は,相手からボールを隠すことは,正々堂々と協議する紳士的精神に反するということから,反則とされており,この反則も頻繁に取られるため,試合途中に中断することが多いため,スピード感に欠ける。このことがメジャーにならない最大の理由であると思います。


⑨主なホッケーチームについて

 (香川県のチーム)

・ 高校 香川中央高校・飯山高校

 (関東リーグ)

・ 東京大学・一橋大学・防衛大・東京農大・筑波大学・早稲田・慶応・明治・法政・学習院・成城・成蹊・武蔵大学

東京オリンピックでは是非ホッケーの試合を観戦し,ホッケーという競技があることを宣伝してください。

Club Banner
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 クラブバナーのデザインは、創立時のテリトリーのシンボル的存在だった栗林公園の「箱松」とロータリーのエンブレムを組み合わせたものです。

 箱松とは、その名の通り箱のかたちを装った松。樹芸の粋を極めた箱松は、ほかには見られない特別名勝 栗林公園ならではの景観をつくっています。

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