第36回例会です。「春分」初候「雀始巣」から次候「桜始開」にさしかかる3月25日です。 雀が落ち着きなくチュンチュン飛び回る姿は,春の日差しの暖かさの情景をかもしだしていますし,桜のたよりは鹿児島,名古屋を皮切りに開花宣言がこの土曜日に聞かれ,本格的な春を実感させてくれます。
私たちも岡会員のご好意で4月1日の例会は職場訪問とお花見を兼ねた例会を予定しています。8日は新入会員歓迎会を夜間例会とします。さらに22日は創立記念日例会を栗林公園でオカリナの魅力を創立58周年とともに満喫します。
また,17・18日は地区大会が松山で開催されます。4月はロータリーを春の気候とともに体感してください。なんといっても24節気の気と72候の候で気候です。
さて,本日は高松南ロータリークラブの名門会員企業を復活させた仲西さんの後任である石田 恵三会員の卓話「信託の話」をお伺いします。
出席率の向上する例会へ不断の努力を重ねる理事役員です。ご協力ください。
ありがとうございます。
不破 弘樹氏
(ロサンゼルスオリンピック日本代表)
豊田章二パストガバナーが,奨学生のカウンセラーに選任され,委嘱状が伝達されました。
高松南ロータリークラブは,平成27年4月から平成29年3月31日までの2年間にわたり,ベトナム出身の女子奨学生グェン・フゥン・ティーハー氏(香川大学経済学部新3年生)の世話クラブとなります。
石田 恵三 新会員
本日は,私が日々携わる「信託」について話をさせていただきます。
まず,これから話を進めていくうえで理解しておいていただきたい信託の仕組みについて説明しておきます。信託は,主に①委託者,②受託者,③受益者の三者で成り立ち,委託者が信託契約などの信託行為によって受託者に対し金銭や土地などの財産を移転し,受託者は委託者が設定した信託目的に従って受益者のために,その財産(信託財産)の管理・処分などを行います。
信託の歴史は中世イギリスから始まります。人々は死後に自分の土地を教会に寄進していましたが,教会に土地が寄進されてしまうと税金が取れなくなる領主が教会への土地の寄進を禁止。その対抗策として教会ではなく信頼できる人に土地を譲渡し,譲渡された人が土地からあがる収益を教会に寄進するという仕組みが生まれ,これが信託の始まりとなったようです。やがて,信託はアメリカに渡り,はじめは遺言の執行や遺産の管理などに利用され,資本主義の発達とともに内容も貯蓄手段や資金供給手段に活用されていきます。日本では,アメリカで発展した制度が明治後半に導入され,大正11年に信託法と信託業法が制定されたことにより,現在の信託銀行の母体となった信託会社が相次いで誕生し,その後本格的に発展していきます。
信託には三つの特徴・機能があります。一つ目は財産管理機能で,委託者や受益者に代わり専門家である受託者に財産の管理・処分を委ね,受託者は信託目的の範囲内でこれを行使します。二つ目は転換機能で,信託により財産が受益権という権利となり,目的に応じその数・性質などを転換できるようになります。この結果,多数の信託された金銭をまとめること,大きな信託財産の小口化,不動産などの受益権化が可能となります。三つ目は倒産隔離機能で,信託財産が委託者ではなく受託者の名義となるため委託者の倒産の影響を受けず,さらに信託財産には受託者の債権者による強制執行が禁じられているため受託者の倒産の影響も受けずに済みます。
信託は,その目的,設定方法,財産の種類,信託終了時の財産の返還方法,運用方法等から分類することができ,信託の対象としては金銭,有価証券,金銭債権,動産,不動産など様々なものがあります。
信託の受託者となる信託銀行についても触れておきます。信託銀行とは,銀行業務と信託業務の両方を併営している銀行で,銀行に認められている全ての銀行業務を営むことができる他,全ての信託業務も営むことができます。信託銀行の特徴的な業務として不動産業務,年金業務,証券代行業務などがあります。
信託を活用した具体的なものとして,投資信託,遺言信託,公益信託,特定贈与信託,教育資金贈与信託,後見制度支援信託,家族信託,排出権の信託,知的財産権の信託,信託型ライツプランなどがあります。身近なものから特殊なものまで様々ですが,ここで紹介したものはほんの一部にすぎません。
最後に,三井住友信託の話をさせていただきます。前身の三井信託は信託業法に基づき設立された最初の信託会社で,会社設立の中心となったのは当時三井銀行の常務であった米山梅吉です。
米山は三井信託の初代社長(大正13年3月~昭和9年6月)を務めました。また,三井住友信託の高松支店は昭和30年に三井信託17番目の支店として開設されました。支店ができた場所は玉藻建設の店舗跡地とのことです。現在の支店名は高松支店ですが,開設当時の支店名は四国支店でした。ちなみに,今年は支店開設60周年ということになります。高松南ロータリークラブの歴史と重ねますと,二代目の支店長がチャーターメンバーでクラブ設立時の事務所は「三井信託四国支店」であったようです。米山梅吉が初代社長であったことから,高松においてもロータリークラブとは浅からぬ縁があったようです。
取りとめのない話になってしまいましたが,私からは以上です。ご清聴ありがとうございました。