今日は家内と一緒に訪問させて頂き温かく迎えて下さり有難うございます。私はガバナーになるなど夢にも思っていませんでしたので「ガバナーは天から降ってきた天職だ」と思っていますが、その思いを聞いて頂きます。
父は転勤族でしたが、徳島で小学校へ入った時に左手で字を書いていて先生に急遽右に変えさせられ、極度の吃音症になり物が言えなくなりました。東京の小学校に転校していじめに遭い「悔しかったら物言ってみろ」とからかわれ、喋れないから殴る、蹴るなど極めて粗暴な子どもでした。先生はお前が悪いと言うのですが、相手が肉体的欠陥について言うので悪くないと思っていますから、「ごめん」とは言わなかったのです。
先生は困って母を呼び、家に帰ると母が何をしたのと聞くので「何もしていない」というと「ウソはいけません。お天道様がちゃんと見ているからね」といつも言うのです。
地域でもいじめられる方が逆にいじめる側に回った感じで、「あんたがまともな男になって良かった」と母には死ぬ間際まで言われました。それ位母をてこずらせました。母の言葉が今でも頭にあって、物事を判断する時に「お天道様がちゃんと見ているからね」という思いを強く持っています。吃音症は社会人になって少しずつ治ってきました。
社会人3年目に小腸腫瘍が破裂して大出血をしました。明け方に便所で倒れ、朝出勤してきた同僚に助けられて一命を取り留めました。
その後C型肝炎を発症し主治医からの指示は守っていましたが、クラブ会長をしていた59歳の時、象の足のように腫れた足で病院へ行くと「すぐ入院しなさい。あなたの肝臓の寿命は5年です。私が保証出来るのは3年です」と宣告されました。家や会社のことを考えると生きたいとも考えましたが仕方がないことだと思いました。
姉から「あなたの人生の醍醐味はこれからだ」という手紙を貰い、よく考えると「私は生かされている」という思いで高松へ帰り、トヨタのディラーの販売権を頂戴出来て、がむしゃらに走って来ました。家もなく借金だらけで、資産イクオール負債という中を走って来ました。そういえば醍醐味などという人生はなかった。急に生きたいという思いが出て、主治医に少し長生き出来る方法はないのかと聞くと「死ぬ可能性が高いが、年齢的に59歳だし、もう生体肝移植しかありません」と言われました。
京大でもまだ100例ぐらいしかない頃で、家内と娘が京大へ行って話しを聞いてきました。データーを見た先生はこの人は年を越せませんよと告げられ吃驚していると、あなたと血液型は合いますよと言われて家内はその場で申し込んできたのです。
夏に申し込んだけれどなかなか返事がなく、肝臓には4回目の腫瘍が出来て、今度は手の施しようがありませんよといわれていました。
その内11月下旬に部屋が一つ空いたという電話で入院しました。入って3日後の夜中に食道静脈瘤が破裂しました。24時間緊急体制を整えている京大病院だったので緊急手当をしてくれましたが、他の病院でしたら多分アウトだったと思います。そのまま日を置いて移植手術に踏み切ってくれました。
移植手術は先に私の肝臓を除けてから始めるのですが、主治医から「この手術は肝臓提供者(家内)が中心です。ドナーに何か危機があればそこで手術は終わります。それだけはご承知下さい」といわれました。
これらを考えますと「私は生かされている」という思いが強くします。母がいつも言った「お天道様がみているからね!」、姉からの「あなたの人生の醍醐味はこれから」という手紙、「早く部屋が空いたから来ますか」という看護婦さんの声、この三つが神の声に聞こえます。
クラブでガバナーを引き受けるという時も会員数も減っていく中どうしようかと議論の末「あなたが引き受けなければクラブとしても引き受けられない」ということで「クラブの活性化をしてくれるなら引き受けます」ということになりました。
私はロータリー歴37年です。クラブへの入会を誘われた時、ロータリアンだった父に相談すると若いうちから入れと勧めてくれました。34歳でした。
但しロータリーは出席が義務だから忙しいからといって欠席して迷惑を掛けることは駄目だと言われました。言われたとおりに出席だけはしていたのですがいきなりガバナーの話しが来ても何も分からないのが正直なところです。
正にガバナーが天から降ってお世話になりご指導頂いた方に恩返しをしろということであろうと思っています。
私の生業は車の販売ですが、一人では車は一台しか運転出来ません。地区のクラブの活性化や奉仕活動へ邁進するのは、皆様方お一人お一人に頑張って頂かないとガバナーの役目が果たせません。地区のテーマは先ずは行動、田中会長を盛り上げようと単純ですが、兎に角行動を起こしてくれたら、思いは達成出来るだろうと思っています。
皆様方へのお願いは、理屈をいう前に行動を起こして、一人でも多くの会員を増やして頂けてればと思います。